ペットサロン・ホテルの開業を検討されている経営者様へ

トリミング(グルーミング)サロン・ペットホテルを開業するための流れ

開業に必要な資格・届出の取得・実施

1 トリミング(グルーミング)サロンの場合

⑴ 開業に必要な資格

トリマーの資格は,一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC),全国動物専門学校協会(AAV),全日本愛犬技術者指導協会(JDA),日本ペット技能検定協会(JPLA)など,様々な団体が認定している民間資格です。JKCが一番知名度が高いかなという印象です(中間の私見)。

一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
純粋犬種の犬籍登録、血統書の発行、災害救助犬の育成、犬の正しい飼育指導、ドッグショー、訓練競技会、アジリティー競技会、フライボール競技会などの開催、愛犬飼育管理士、トリマー、ハンドラー、訓練士の公認資格の認定などを行う国際的な愛犬団体です。
一般社団法人全国動物専門学校協会
動物関連技術者の育成、資質向上、動物愛護精神の高揚の理念を基に、検定試験事業やトリミング全国大会・研修会の開催などの事業をおこなっています。|一般社団法人全国動物専門学校協会
一般社団法人 日本ペット技能検定協会 – JAPAN PET LICENSE ASSOCIATION

他に,ドッグ(キャット)グルーミングスペシャリストという日本動物衛生看護師協会が認定する民間資格もあります。

トリミングとは,犬の毛をカットして整えること,グルーミングとはブラッシング,シャンプー,爪切り,肉球の手入れ,肛門腺絞り等々のお手入れ全般を指します(トリミングもグルーミングの一つと言えます)

⑵ 開業に必要な届出

ペットをお預かりしてトリミング(グルーミング)を行う場合,第一種動物取扱業(動物取扱責任者の選任)の届け出が必要です。

なお,動物取扱責任者の資格を取得するためには,下記要件のいずれかに当てはまる必要があります。

ア 獣医師免許
イ 愛玩動物看護士免許
ウ 申請業種に関する半年以上の実務経験(常勤の職員として在職するものに限る)又は取り扱おうとする動物の種類ごとに実務経験と同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験があり、かつ、申請業種に関する知識及び技術について1年以上の学校その他の教育機関を卒業していること
エ 申請業種に関する半年以上の実務経験(常勤の職員として在職するものに限る)又は取り扱おうとする動物の種類ごとに実務経験と同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験があり、かつ、公平性・専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、申請業種に関する知識や技術を習得していることの証明を得ていること

2 ペットホテルの場合

⑴ 開業に必要な資格

必ず必要になる資格はありません。ただし,飼い主様の大事な愛犬(猫)をお預かりする責任重大なお仕事ですので,ペットの飼育経験やペットショップやホテルでの就労経験がないと難しいでしょう。

⑵ 開業に必要な届出

トリミングサロン同様,第一種動物取扱業(動物取扱責任者の選任)の届け出が必要です。

事業展開に向けた資金調達

トリミングサロンではざっくり200万前後~600万くらい,都内で内装も凝ってしまうと1000万くらいの開業資金が見込まれます。ペットホテルでも,600万~1000万ほどは見込んでおくとよいでしょう。

これとは別に開業直後数カ月の運転資金も準備しておく必要があります。

もちろん,自己資金で全て賄えるに越したことはありませんが,多くの方が融資等を受けられて資金調達をすることになるかと思います。

銀行融資もありますが,日本政策金融公庫の創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度が金利が低く,お勧めです。

新創業融資制度|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫(略称:「日本公庫」)の...

集客に向けたサイト構築

飼い主さんがトリミングサロンやペットホテルを探すときは,やはりインターネットで検索することが大半ですので,集客を考えると,自社のHPを作成することはマストと言えるでしょう。

スタッフの採用・研修

トリミングサロンもペットホテルも,トリマーさんやお預かりしているペットのお世話をするスタッフさんを確保する必要があります。採用及び入社後の研修によって,飼い主さんに信頼される店舗になるべく,人材を育成していかなければならないでしょう。

開業を検討するうえで対応しておくべきこと

 <H3>各種契約書の作成・整備

トリミングサロン,ペットホテルいずれも,飼い主さんとお店との間で利用契約が存在しますので,トラブル回避の為,契約書の作成が必要になります。

名称は「契約書」である必要はありません。「契約書」という名称だと少しカタい印象があるので,飼い主さんの抵抗感を考えて,弊所では「確認書」とか「同意書」といった名称で作成しています。

また,個別の書類とは別に,「利用規約」を定めておくことで,トラブル予防が期待できます。

サイト構築に向けたプライバシーポリシー・利用規約・特定商取引法に基づく表記の作成

HPを作成する場合は,プライバシーポリシー・特定商取引法に基づく表記をサイト内に明記する必要があります。

また,利用規約をHPに掲載しておくとよいでしょう。

スタッフへのクレーム対応等の研修実施

大切な愛犬(猫)を預かるトリミングサロン・ペットホテルでは,スタッフの対応によっては,飼い主様のクレームトラブルが生じることがあります。

クレーム対応は,組織的に一貫した対応をすることが重要です。弊所では,トリミングサロンやペットホテル向けのクレーム対策研修も実施しています。

当事務所でサポートできること

各種契約書内容の作成・チェック

一般的な契約書はもちろん、ペットサロンやペットホテル特有の契約書類の作成、チェックをすることが可能です。契約書がしっかり整備されていれば、企業経営における様々なリスクを回避することができます。

プライバシーポリシー・利用規約のチェック

貴社が提供されているサービスをお伺いし、貴社にとって最適なプライバシーポリシー、利用規約であるかチェックいたします。

従業員向け研修の実施

当事務所の弁護士が従業員向けに各種研修を実施しております。ご要望に合わせてご用意させていただきますが、従業員向けのコンプライアンス研修やクレーム対応研修を行っております。

インターネット口コミ削除・誹謗中傷対策の実施

飼い主さんのほとんどがペットサロン、ペットホテルを探すときはインターネットを利用します。その際に、口コミの評価を重視する人は多く、ネット上に書かれた悪い口コミを放置することは来店率を下げるリスクとも言えます。このような風評被害からお守りするために、貴社の寄せられた悪い口コミの削除や口コミの定点観測をサポートいたします。

飼い主さんとのトラブル解決

飼い主さんからの苦情・クレームへの対応の必要性は年々高まっています。トラブル発生後の飼い主さん対応、トラブルにならないような診療契約書、手術同意書の作成までトータルでサポートいたします。

ペットサロン・ペットホテルの開業における法務相談は当事務所まで

当事務所ではペットサロン・ペットホテルに特化したリーガルサービスを提供しております。

お困り事がございましたらお気軽にご相談ください。

タイトルとURLをコピーしました