適切な債権回収の方法とは?知っておくべきポイントを解説

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支払い期日を過ぎても取引先から売掛金の支払いがない
顧客にサービスを提供したのに代金の支払いがない
・請求書を送っても返事がない

このような未払いのトラブルは、放置すればやがて企業の存続を危うくします。
それでは、未払い債権を回収するためには、具体的にどのような手段を講じればよいのでしょうか。本記事では、債権回収の手順、債権回収を弁護士に依頼するメリット等について解説します。

債権回収の流れ

期限内に支払いがない場合、通常、まずは電話やメールなどで連絡し、支払いを催促することになるでしょう。それでも相手が応じない場合には、以下の手順で債権回収を行います。

相手方へ内容証明郵便の郵送・催告

内容証明郵便という方法で、相手に支払いを求める文書を送ります。内容証明郵便とは、文書の内容や送付した日付を郵便局が証明してくれる制度です。債務者に支払いを請求すると、6か月間は消滅時効の完成が猶予されます。この支払いを請求することを、民法で「催告」といいます。内容証明郵便は、この催告したことを証明するものとして、有効な手段となります。

また、内容証明郵便には、通常「支払いがない場合には法的措置をとる」といった予告文を記載します。この一文により、こちらの強い覚悟を相手に示すことになり、相手に支払いを催促する効果があります。

弁護士による交渉・公正証書の作成

弁護士の名前で内容証明郵便を送ることで、債務者により強い心理的プレッシャーをかけることができます。弁護士に依頼したということは、今後法的措置も辞さないというこちらの本気度が伝わることから、回収の実現性はより高まります。

相手が任意に支払うことを約束したら、合意書を作成します。支払い方法が分割払いの場合には、公正証書にしておくのがよいでしょう。公正証書があれば、相手が約束どおり支払わない場合、裁判を起こさずに強制執行することが可能となります。

仮差押え

交渉で債務者が支払いに応じない場合には、訴訟などの法的手続きに進むことになります。しかし、訴訟には一定程度の時間がかかるため、せっかく訴訟を起こして勝訴判決を得ても、その間に財産が処分されてしまったら意味がありません。

そこで、債権者は訴訟を起こす前に裁判所に申請し、債務者が財産を処分しないよう、財産を保全することができます。これを「仮差押え」といいます。仮差押えをしておけば、勝訴判決を得た後に、本差押えの強制執行をして債権を回収することができます。

訴訟・裁判

相手が任意の支払いに応じない場合には、訴訟を提起する必要があります。訴訟は、訴状を裁判所に提出することで審理が開始され、裁判所が証拠に基づき請求権の有無を判断します。裁判所か請求に理由があると判断すれば、判決という形で支払命令を出します。

債権額が60万円以下の金銭請求の場合、少額訴訟という手続きもあります。少額訴訟は、原則として一日で審理が終わり、その日のうちに判決が出る制度で、時間と費用を抑えることができます。その他の法的手続きとして、支払督促や民事調停もあります。

強制執行

勝訴判決を得たら、裁判所に強制執行の申し立てをします。強制執行とは、国家権力により強制的に債権回収を実現する制度です。強制執行をするためには、債権が確かに存在することを証明する文書(債務名義といいます)が必要となります。債務名義としては、確定判決のほか、和解調書、仮執行宣言付支払督促、執行認諾文言付公正証書などがあります。

差押えの対象となる財産には、以下のものが挙げられます。

・不動産
・金銭債権(預金債権、売掛債権、給与債権等)、
・自動車
・動産

債権回収を行う前に知っておきたい債権の消滅時効

債権には時効があり、権利を行使しないまま一定期間を過ぎると権利が消滅します。以前は短期消滅時効制度がありましたが、令和2年4月1日に施行された改正民法では

①   権利を行使できることを知ったときから5年
②   権利を行使できるときから10年

に統一されました。債権を回収する際には、時効期間が過ぎていないか、注意が必要です。

債権回収を弁護士に依頼するメリット

適切な債権回収方法を選択することが可能

本記事で紹介したとおり、債権の回収には複数の手段があります。初めから仮差押えといった法的手段を採るのがよいのか、あるいは粘り強く交渉を続けて分割払いの合意を取り付ける方がよいのかは、正にケーズバイケースです。手続きの選択を誤ると、時機を逃して満足な回収が図れない可能性もあります。この点、弁護士に依頼すれば、債務者の財産状況を見極めながら、最適な方法を選択することができます。

有利に交渉を進めることが可能

弁護士から請求することで、法的措置も辞さないというこちらの強い覚悟が相手に伝わり、その結果、これまで怠慢だった債務者が任意の支払いに応じるというケースも少なくありません。弁護士に依頼することで、他の債権者より優先して交渉に応じてくれる可能性も高くなります。

債権回収をするための時間、精神的負担を軽減することが可能

債権回収は、いかに早く行動を起こし、他の債権者より先に回収するかが肝心です。しかし、訴訟や強制執行といった法的手続きは煩雑であり、法律の知識がないと時間と労力がかかってしまいます。債権回収を弁護士に依頼することで、ご自身の本来の業務に集中することができ、精神的負担も減らすことができます。

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